2016年1月18日月曜日

Stealth Limiter (IK Multimedia)

IK Multimediaのマスタリング・リミッター、T-RackS Stealth Limiterのレビューです。

http://www.ikmultimedia.com/products/trstealthlimiter/
https://beatcloud.jp/product/524
強烈です。やみつきになりそう。

『ステルス』の名の通り、露骨に「潰す」という感覚はないです。

ややハイ上がりですが、そのおかげかクリアで、張りのある音が飛び出して来ます。

良い意味でIK Multimediaらしい音です。

圧迫感が出ないので、躍動感を損なうことなく音圧を稼ぐことが可能です。



プリセットも用意されていますが、基本的には「INPUT」で入力ゲインをコントロールするだけです。

TIGHT/BALANCED/HARMONICS 1/HARMONICS 2と4つのモードがありますが、そう極端にキャラクターが変わる感じはしないですね。

ギターメインの(歪み系、しかも10年近く前に録音した)曲だと、どのモードかブラインドで当てろと言われても無理だな~、というのが正直な感想です。

アコギやストリング系の生楽器や、Hi-Fiな音源になれば話は別だと思いますが…


各モードの感想ですが、HARMONICS 1/HARMONICS 2は少々音が散らかる気がします。

アナログ風というか、ほどよく汚れて荒っぽい雰囲気になります。

TIGHT/BALANCEDモードはナチュラルなのですが、どちらかと言えばTIGHTモードの方が緊張感が出ます。

説明を読む限り、原音に忠実なのはTIGHTモードなのですが、場合によってはBALANCEDモードの方がニュートラルに聞こえるかもしれません。


そして意外と便利だった「Unity Gain Monitor」スイッチ。

これをONにしてbypassボタンを切り替えると、処理前/後のサウンドを、同じ音量で聴くことができます。

どれくらい音が変化したかを同じボリュームで確認出来るのですが、結構おもしろいですね。

他のマキシマイザーにも欲しいな~と思いました。



T-Racks CSとして起動した場合は、左下の『PREF』からプリファレンス設定を呼び出して、『Oversampling+Linear Phase』にチェックを入れるとStealth Limiterのパフォーマンスが上がります。
そしてPCのパフォーマンスが著しく下がります。

レイテンシーUP↑で2Mixでしか使えませんが、音はかなり変わります。

マスタリング時はこの設定をお忘れなく。



KRATOS 2 MAXIMIZER (Kuassa)
KuassaのKRATOS 2 MAXIMIZERと比較すると、Stealth Limiterは若干ピーキーというか、ソースを選びます。

予定外の音が前に出てくるケースがあるので、慣れるまではミックスをやり直しながら挙動を把握する必要があると思います。

音圧を上げることに関しては、Stealth Limiterが上でしょう。

マスタリング後の存在感がスゴイです。





↑上のSoundCloudのデモ曲は他社のリミッターとの比較ですね。

値段を晒すあたり、なかなか強気です。

Stealth Limiterもそれなりに値は張りますが、性能的に申し分無いオススメの一品です。

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