JamUpやBIAS・BIAS FX等、ギター関連のアプリ(ソフト)のイメージが強いPositive Gridですが、僕が最初に入手したPositive Gridのアプリは『Final Touch』でした。
2Mixのトラックをインポートし、イコライザー・コンプレッサー/リミッター・リバーブ・ステレオイメージャー・マキシマイザー等のエフェクトを使って曲を仕上げる、というのが基本的な使い方です。
また、Inter App AudioやAudiobusに対応しているので、他のアプリ内でもエフェクトとして使えます。
各トラックにインサートして、単純にエフェクターとして使うことも、EQ・音圧上げ・リバーブで音を仕上げることも可能です。
そしてプリセットが充実しているので、個々の楽器の音作りも捗ると思います。
いくつもエフェクターを並べてあっちこっち移動するよりも、遥かに効率良く作業出来るでしょう。
DAW付属のエフェクターより、音も機能も優れているのは間違いないです。
オーディオファイルをインポートして、プリセットを呼び出すだけでも十分です。
ミックス・マスタリング作業はよく分からない、苦手だ…という人でも、このアプリなら気軽に、分かりやすく音の変化を楽しめると思います。
せっかくなので、細かい機能・使い方も紹介しましょう。
まずは曲をインポート。
iTunesやDropboxでファイルを呼び出すことも、Audio Pasteで直接貼り付けることも出来ます。
今回はDropboxからダウンロード。
水色の波形がインポートされたオーディオファイルです。
画面右下のボタンからプリセットを呼び出すだけで、しばらく遊べます。
様々なジャンル、楽器用のプリセットが用意されています。
気に入ったプリセットを見つけたら、個々のエフェクトを操作してみましょう。
(もちろん1から音を作るのもOKです)
8バンド・5タイプのプリEQ
ルーム・ホール・プレート、3タイプのリバーブ
4バンドのコンプレッサー/リミッター
視認性に優れたステレオ・イメージャー
8バンド・5タイプのポストEQ
ビット数やディザリングタイプを選択可能なマキシマイザー
以上、6つのエフェクトを操作出来ます。
それぞれON/OFFやドラッグ&ドロップによる並べ替えが可能です。
もちろん、個々のエフェクトのプリセットも充実しているので、それらを組み合わせるだけでも音を作れます。
気に入った音を作れたら、後はエクスポートするだけです。
保存(書き出し)先は、インポート時と同じですね。
曲(ファイル)の名前、サンプリングレート、ビット数、ファイルのフォーマットを選択します。
Dropboxへエクスポート
これで終了です。
出来上がったのがこちら
Cubaseで作業したものと比べてどうでしょうか?
個人的にはマキシマイザーが非常に優秀だと思います。
音圧を上げると雰囲気をぶち壊すマキシマイザーもある中で、このFinal Touch付属のものはとても素直で使い易いです。余計なことをしません。
他にも、ミッド/サイド・プロセッシングに対応、ユーザープリセットが無制限、常にメーターを見ながら作業出来る等、褒めたいことはたくさんあります。
しかし、このアプリをさわっていて一番思うことは、「あぁ、PCでもこれを使いたい…」です。
『 Final Touch Desktop 』 …Positive Gridさん、どうでしょうか?
BIAS AMP、BIAS FXとデスクトップ版が出たら、次はFinal Touchにもデスクトップ版が来るんじゃないかと期待しております。
タッチパネルではなくマウスでの操作になることを差し引いても、こんなに手頃で使いやすいマスタリングツールはそう無いと思います。
…Final ”Touch” だからiPadじゃなきゃダメ、なんてことはないですよね…?
おまけ
ステレオ化もとても優秀です。
手持ちの音源を「ちょっとライブっぽくしたい」とか、イヤホンやヘッドホンの音場の狭さに不満がある人は、試してみて下さい。