2015年8月29日土曜日

トーンカット ③トーンコントロール以外の使い方

【 トーンカット ②ポットの改造 】の続きです。

まず最初に、トーンカット用の改造ポットはボリュームコントロールには使えません。
図を見れば分かりますが、フルテンの位置なら信号が出力されます。

しかし、抵抗を削った場所で信号が途切れるため、フルテン以外では音が出ません。


フルテンでアースから独立し、且つボリュームを下げても使えるポットを作るには、二連ポットを使います。

市販のフルアップボリュームのポットもこの方式だと思います。

難易度は少々高くなりますが、興味のある人は作ってみましょう。



さて、本題です。

トーンコントロール以外の改造したポットの使い道ですが、僕はハムバッカー等のタップに使います。
コイルバランサーという呼び方がありますね。

普通はスイッチでハム/シングルの切り替えをしますが、ポットでも代用可能です。

タップスイッチの配線。
どこにも接続しないorアース直結の2択。

例えば4芯のハムバッカーなら、スイッチが無い場合だとタップ線がどこにも繋がれず、絶縁保護された状態だと思います。

だいたいこんな感じ
この場合、赤白一組で「タップ線」です。
このタップ線を、空いているポットに繋ぐだけです。


どういう状況になるのか、回路図で見てみましょう。
フルテン
独立した状態
通常のハムバッカーサウンド
0に近付くほど、アースに信号が落ち、
ハムバッカーの片側の出力が下がります
アース直結
タップされたシングルコイルサウンド

早い話が、スイッチの『 0 or 10 』がポットなら『 0 ~ 10 』になるよ、という事です。

実用性は人によりけりですが、結構遊べます。

ブリッジから遠い方のコイルがアースに落ちるように配線すれば、少し出力を下げつつ音やバイト感を固めに…と、手元での音作りの幅が広がります。


トーンは使わない、使わないポットがもったいない、コイルタップしたい、スイッチに換えて外観が変わるのが嫌、でもスイッチ付きポットは値段高いし…

僕は全部あてはまったので、スイッチが似合わないと個人的に思うレスポール系は、全てこの配線にしています。(EMGは除く)



注意点ですが、普通のポットだとトーン同様に、フルテンでもタップ線からアースに信号が落ちてしまいます。

改造したポットなら、原音に影響はありません。


そして、この回路を本格的に使うつもりなら、ポットの抵抗値やカーブを変更した方が良いと思います。

通常、ハムバッカーを搭載したギターのトーンポットは500kΩ・Aカーブ(SSH・HSHだと250kΩの場合も)が多いです。

これらをそのまま使いまわしても問題無いのですが、半分くらい回してもあまり変化せず、そのあと急に変化してしまう…といった不満を持つ人も出てくるでしょう。

完全に好みの問題なので、こだわる人は色々なポットを試して自分に合う物を探して下さい。

個人的には100kΩや50kΩといった抵抗値の小さい物が好印象でした。



さて、長くなりましたがそろそろ終わりにします。

久々に回路図を書いてテンション上がりました。

家に大量に余っているポット・スイッチ・配線材を見て、それでもなお湧き上がる物欲…

う~ん、秋葉原に行きたくなってきた…

 【 トーンカット ①トーン回路の仕組み 】

 【 トーンカット ②ポットの改造 】

  【 トーンカット おまけ 】